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着物の虫干し、やっていますか?

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着物は丁寧に保管すれば、長く着ることができるものです。お気に入りの着物なら20~40年着続けたいし、成人式で着る振袖などはお嬢様やお孫さんに着てもらえたら素敵ですよね。 今回は着物のお手入れに欠かす事の出来ない「虫干し」についてお知らせします。

◆虫干しとは何?

着物を箪笥や保管ケースから出して、干すことです。着物の大敵といったら「湿気」ですから、着物を箪笥から出して乾いた空気にさらし、衣類が入っていた空間にも空気を与えて湿気を飛ばします。
尚且つ着物を点検して、保管場所も乾拭きしてスッキリさせましょう。一日がかりの作業ではありますが、着物を長く綺麗な状態で保つには、「虫干し」は有効な手段と言われています。

空気がよく乾燥した日、午前10時~午後3時までが虫干しの時間帯です。直射日光のあたらない風通しの良い部屋を選びます。着物は保管場所から出して、ハンガーに吊るします。着物ハンガーが理想的ですが、無い場合は洋服ハンガーでも良いでしょう。色焼けを防ぐために裏返しにしても良いかも知れませんが、着物の枚数が多くて負担に感じるなら表のまま干しても問題ありません。

虫干ししている間に、保管場所の掃除をします。たとう紙や敷き紙をはずして、乾拭きしましょう。変色しているたとう紙は、交換して下さい。防虫剤・防湿剤も新しいものに替えます。

シミやカビがないかどうか、着物をチェックしてみましょう。異常があるなら、早目に専門家に相談すれば簡単に直る場合もあります。

夕方になると空気も湿気をおびてきますから、早目に片付けて下さい。慣れないと、着物を一枚畳むのも時間が掛ります。着物も西日に長時間当たると変色する可能性もありますから、西日が出る前には虫干しも終了したいものです。

◆虫干しの時期に注意

虫干しは「いつでもやって良い」という訳ではありません。空気が乾燥した時期でないと効果は無いのです。おすすめの時期は年に3回。「土用干し」と言われる7月下旬~8月下旬と「虫干し」10月下旬~11月下旬、そして「寒干し」の1月下旬~2月下旬です。

土用干しは、梅雨も明けてスッキリさわやかな時期が良いと言われています。でも地球温暖化が問題となっている現代、7月下旬はクーラーを使っていて家の中が密閉されていることも多いでしょう。クーラーを止めて、窓を開けて風を入れるのは難しい地方もあるかも知れませんね。
また台風が過ぎた後などは、まだ空気中に湿気が含まれていますから、虫干しには適していないので注意して下さい。

秋の虫干しは、暑さも落ち着いて天候も安定している時期なので虫干しにおすすめです。ただし「秋の日はつるべ落とし」と言われるくらい夕暮れが早いので、着物を片づけるタイミングに気を配りましょう。

年間を通して最も湿度の低い時期が1月下旬~2月下旬。寒干しにはピッタリです。
着物の素材は、絹・綿・麻・化繊・ウールなど様々あります。ウールは動物性なので虫に食われやすいと言われていますが、高級素材と言われる正絹も虫食いされない訳ではありません。絹を食べる虫は「ヒメマルカツオブシムシ」や「ヒメカツオブシムシ」です。これらは、冬から春にかけて衣類を食べますが、春から夏にかけては衣類は食べません。その後夏から秋にかけて卵を産み落とすのです。冬の時期に虫干しをすれば、万が一虫食いをする虫の卵が着物に産み落とされても、着物が虫食いされる前に卵を払い落すことが出来ます。
寒干しには二重三重の効果が有るのです。


虫干しをするのは、一日の作業。面倒と思うことも多いでしょう。高価な着物もシミやシワ、虫食いなど出来てしまうと、直すのは時間も費用も掛り大変残念な結果になります。
もしそれが、虫干しで防げるなら・・・如何でしょうか。忙しい毎日だからこそ、せめて年に一回ゆったりと着物と向きあう時間があっても良いかも知れませんよ。
是非、試してみて下さい。