上手な方に着物を着付けして貰えれば大丈夫と思うかも知れませんが、そう簡単なものではないのです。着付けは依頼者が用意した小物を使って着付けを行うのが原則。足らなかったり、使い勝手の悪い小物もある中での着付けは、ベテランの着付け師でも難しい場合があります。
着付けの際に必要な小物をチェックしてみましょう!
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タオルは必需品です
ウエストを補正するのに使うのがタオル。でもタオルなら何でも良い訳ではありません。小さいハンドタオルや厚手のバスタオルはNGです。フェイスタオルを用意しましょう。出来れば薄手のもの(旅館などで用意されているテイプ)を3~4枚。痩せている方なら5~6枚必要になるかも知れません。
腰紐は3~5本用意して下さい
腰紐にも種類があります。一番ポピュラーなのは、素材がモスリンのもの。使いやすく、しっかり締められるので便利です。紐は最低でも3本、出来れば5本位は用意していただきたいものです。
絹は着物でも高級素材で、着やすいことでも知られています。絹の腰紐もありますが、こちらは滑りやすいので、着物に慣れていない方が使うには向かないかも知れません。また、一度使うとシワで棒状になってしまい、これが体に食い込み痛く感じる場合もあります。絹の腰紐を使うなら、事前にアイロンを掛けて平紐状態にしておきましょう。
ゴムベルトは、キツく締めないので楽と思う方も多いでしょう。でも緩みやすいので注意が必要です。特に腰を押さえる時に緩むと着崩れの大きな原因となりますから、腰紐として使うのは難しいと言えます。ゴムベルトを持って行く場合は、必ず他のタイプの腰紐2~4本を組み合わせて下さい。
化繊の紐は収まりが悪いので、腰に結ぶのは難しいと言えます。仮紐として使うならOKですから、ゴムベルトと同じく、他の素材の腰紐と合わせて使うと良いでしょう。
腰紐と一口に言っても、腰に結ぶだけではありません。胸紐や仮紐として使う場合もあるのです。言い方は紛らわしいですが、これらも腰紐と呼びますので、適材適所で使えるように工夫して下さい。
コーリンベルトも用意して
着物の衿元が綺麗に収まるようにするのが、コーリンベルトです。ない場合は、胸元を腰紐で押さえるなど、腰紐を代用しますが、長時間着物を着るなら、コーリンベルトのほうが伸縮性もあり苦しくないのでおすすめ。長襦袢にも使う先生もいらっしゃいますから、できればコーリンベルトは2本用意して下さい。
帯板の種類も選びましょう
帯のシワを防ぐのが帯板です。帯板の左右にベルトの付いているものや、フォーマルに使う袋帯用に幅の広いもの、夏用のメッシュタイプ、変わり結びのための後帯板もあります。
帯幅が広いと胸が圧迫されて苦しいし、夏に普通の帯板を使うと暑苦しいので、季節や着物によって帯板を選んで下さい。
華やかな帯結びなら「三重仮紐(トリプル仮紐)」があると便利
成人式や結婚式で振袖を着る時は、華やかな帯結びとなります。「福良雀」や「文庫」「立矢」といった基本型だけでなく、アレンジした色々な帯結びは、着付けの先生の腕の見せ所とも言えるでしょう。
華やかな帯結びは、時間が掛るだけでなく帯のあちこちを結ぶために、帯にシワが出来やすいのも難点です。この三重仮紐は、その変わり結びを簡単にしてくれるアイディア紐。時間が短縮できるだけでなく、シワも少なくて済みますので、振袖の着付けをお願いするなら、用意しておいても良いでしょう。以前は使われなかったものなので、なくても着付けを出来る着付け師の方はいらっしゃいます。でも、お値段も意外とリーズナブルで、1個数百円で済みますから、ご自分の帯の負担を減らすためにも、着付け時間を短縮するためにも準備することをおすすめします。
着物の小物も年々便利になっています。久しぶりに着付けをお願いする時は、まずは美容院や着物屋さんに相談して、今時の小物をチェックするのも良いでしょう。それだけでも、着付けが楽になる場合がありますよ。