着物を着るのに不可欠なのが「帯」です。この帯も畳み方を間違えると、折りジワなどが残ってしまいます。帯は素人がアイロンを掛けて伸ばすのも難しいので、最初からきちんと畳みたいのですが、「着物の畳み方」はネットで検索できても、帯の畳み方はなかなか探せません。今回は、知っているようで知らない、帯の畳み方をご紹介します。
目次
袋帯の畳み方
フォーマル用の帯が袋帯です。袋帯にも柄付けがあり、総柄の「全通柄(ぜんつうがら)」、胴の一巻目が無地となっている「六通柄(ろくつうがら)」、そして二重太鼓専用の「お太鼓柄」となります。袋帯は、新品の場合均等の長さに折られていますが、そのままでは付けたくない場所に折りジワが付いてしまいますから注意しましょう。ポイントをお知らせします。
お太鼓柄
前帯と背中のお太鼓となる部分に柄があります。お太鼓の途中に横ジワが付かないように気を配って下さい。まずはお太鼓となる柄から上10~15㎝の所を折ります。※身長の高い人は15㎝、小柄な方は10㎝を目安とします。
そして、帯を仕舞う「たとう紙」に合わせて重ねて折っていくのです。こうすれば、太鼓となる部分にシワが出来ることを防げます。「て先」と「たれ」となる部分を間違えないように注意しましょう。
六通柄・全通柄
二重太鼓の他、変わり結びも出来る柄付けです。大人のフォーマル専用に結ぶなら二重太鼓が原則ですが、どこが太鼓の部分になるかは「お太鼓柄」のように見極めるのは難しいと言えるでしょう。
こちらは、一度実際に二重太鼓を結んで、その折り目で畳んでいきます。どこが太鼓となるか、結びジワで分かれば、後は「お太鼓柄」と同じように、太鼓の柄から10~15㎝上を折って、たとう紙に合わせて折り重ねればOKです。
変わり結びとする場合は、どんな結び方となるかは、その都度変わるので、跡となる部分にシワを残さないのは難しいかも知れません。ただし前帯の部分は別です。ここに折りジワが残らない気配りをしましょう。
名古屋帯
一重太鼓を締める時は「名古屋帯」を使うのが一般的です。ただし名古屋帯にも仕立て違いで色々な形がありますが、一般的なタイプは「名古屋仕立て」といって、お太鼓になる部分以外は半幅になっているもの。この名古屋仕立ては、お太鼓の場所にシワが残らないように独特の畳み方をしますが、仕立てられた時の折りジワに合わせて畳めば問題はありません。
袋帯は最初の畳み方でなく、自分の体型に合わせて畳むのが無駄な折りジワをなくすポイントですが、名古屋帯は最初の畳み方を守るのが良い様です。
半幅帯
帯結びが簡単に出来る「半幅帯」。その名の通り帯幅が最初から半分となっています。帯結びに必要な小物も少なくて済むことから、カジュアルな帯として人気も集まっているのです。半幅帯の芯は柔らかいものを使うので、色々な帯結びを楽しむことができ、適当に畳んでもシワが出来ることは少ないと言えます。
細くボリュームのない帯なので、他の帯のように折って重ねて仕舞うのも良いですが、反物のように丸めてタンスの引き出しに立てて入れるのもおすすめです。重ねて仕舞うと探す時に大変ですが、立てて収納すればすぐにみつけられて便利。引き出しの空きスペースも有効利用できます。
まとめ
一昔前の帯には、厚い木綿芯が入っていました。こちらは、しっかり結べる反面、どうしても締めた後のシワが残ってしまうのが欠点だったのです。最近は薄い不織布の芯や芯を入れないで仕立てた帯も増えてきました。これなら変わり結びをしてもスッキリと仕上がり、シワも出来にくくて安心と言えます。
帯も日々進化していますので、畳み方も帯によって変えても良いかも知れませんね。