お気に入りの振袖。成人式やお友達の結婚式などで着ても、何年も着続けられるものではありません。袖を短くして訪問着にする方もいらっしゃいますが、せっかくの振袖です。もし女の子が生まれたら、振袖として着せてあげたいと思いませんか?きっと素敵ですよ。
ママ振袖として着るためにも、まずは綺麗に保管しましょう。
目次
たたみ方に気を配る
一般的な着物のたたみかたは「本だたみ」ですが、フォーマルな着物専用の「夜着(よぎ)だたみ」という方法もあります。これは着物のシワを最小限度に押さえるたたみ方なので、ネットなどで検索してみましょう。
振袖の模様に金や銀の箔がある場合は、要注意です。たたんだ時に箔同士が重なると、くっついてしまう場合があります。一度くっついてしまうと着物を広げた時に剥がれやすくなりますから危険です。そうならないために箔の部分に和紙などをあててから、たたんで下さい。
定期的な虫干しを欠かさない
着物、特に高級な正絹の素材の着物は湿気が大敵。タンスに仕舞いっぱなしでは、湿気が入りこんでしまうので注意しましょう。一番最適なメンテナンス方法は「虫干し」です。梅雨明けや秋の晴天の頃、又は空気が乾燥する1~2月にタンスから着物を出して、風通しの良い場所に干します。干す時間は半日程度で、夕方には片付けて下さい。干す時にシミやシワをチェックすれば万全です。
シミや汚れが見つかったら専門家に
保管している時にシミや気になる汚れが見つかったら、早いうちに専門家に見てもらいましょう。早ければ早いほどダメージも少なくてすみます。
カビが見つかったら、そうっと扱って下さい。カビは胞子がありますから、乱暴に動かすと胞子が飛び散り他の着物やタンスのあちこちに付いてしまう場合があります。そうなってしまっては、後処理が大変ですから注意しましょう。カビの付いた着物は、たとう紙に優しく包んで、そのまま専門家にお任せします。
たとう紙は振袖サイズを選ぶ
着物を包むたとう紙にもサイズはあります。大きく分けて、帯用と羽織用、着物用です。さらに着物用といっても身長160㎝までの一般的な方が着る着物のサイズと、背の高い女性や男性用の特大サイズがあります。たとう紙にはマチがありますから、多少の大きさはカバーできますが、出来るだけ着物にあったたとう紙を選んで下さい。
高級なたとう紙は和紙を使っていますから、湿気を吸収してくれるので振袖には最適です。ただし湿気を吸ったたとう紙は変色します。虫干しの時などでたとう紙が茶色に変色していると感じたら、交換する必要があります。予備がなければ、呉服店やネットで購入できますよ。
タンスの上の段に置く
着物は桐の和タンスに仕舞うのが良いとされていますが、その中でも正絹の着物は湿気が少ない上段を使って下さい。また着物は2~3枚重ねて保管するのが基本ですが、出来れば振袖は一番上に置きたいものです。他の着物の下になると、どうしても湿気が付き、シワも出来やすいので注意しましょう。
防虫剤は不要?
衣類の保管というと、防虫剤を使うものと思っている方も多いかも知れませんが、正絹の着物には防虫剤は必要ありません。絹は基本的には虫に食われにくいのです。防虫剤が必要な着物は、ウールや木綿。正絹の着物なら虫食いの心配はないのです。
とは言っても、正絹の着物もウールや木綿と一緒にすれば虫食いにあいますから、片付ける際は引き出しも別々にして下さい。着物だけでなく小物も要注意です。実は着物の着付けに必需品の腰紐ですが、モスリンと言われる素材のものが使いやすいと言われています。このモスリンは、ウールの一種。着付けするのに便利だからと、腰紐も一緒に仕舞うと、モスリンに付いた虫が大切な正絹の振袖の虫食いの原因になる可能性もありますから、止めましょう。
まとめ
大切な思い出の振袖を、将来生まれたお嬢様が着てくれたら嬉しいですよね。着物はそんな女性の思いを次世代につなげる重要なアイテムです。しっかり対応すれば、綺麗な状態で20~30年保てますから、丁寧に扱いましょう。
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